フランスビジネススクール留学メモ

フランスはグルノーブルのビジネススクール(Grenoble Ecole de Management)に通ってます。専攻はファイナンス(Master of Finance)。経験したことや思ったことなどゆるく書き留めます^^

日本にいると若干の疎外感

更新がかなり久しぶりになりました。
相変わらず日本で、修論を執筆しながら、PhDの応募書類を作っているところ。とても有り難いことに、10月から母校の大学で管理会計論のTAをすることになりそうだが、別バイトの固定シフトと重なってしまい、調整が必要(笑)。事前に曜日を聞いておけば良かったと反省している...
ところで、応募校の教授の論文を読んでも本当に何をやっているのか分からない。でも"そんな感じのこと"とその周辺はやってみたい(笑)。なので、SoPにどう組み込めばよいのか分からない。自分が今思いつく程度の研究内容は、現在の浅い知識がベースなので、面白くはない。二年間のコースワークを通して問題意識に変化があるのかな...。アプライ時点でかなりdeterminedだったらいいけど、ふらふらと色んな勉強をかじってきたせいでなかなか厳しい。
ところで、Master's thesisは銀行論をやる。とは言っても、金融機関自体に特別な興味があるわけではなくて、risk measurementとかrisk managementがやりたくて、色々調べてたらsystemic riskの研究があることを発見した。先の金融危機後に盛んになった議論で、定義も学者によってバラバラ。ざっくりと、金融システム内の銀行間の"つながり"のせいで、ある銀行の破綻の影響がそれ以外の銀行に波及して、結果、金融システム全体の機能悪化をもたらすリスクのこと。こうしたリスクを回避しようと思えば、銀行間の"つながり"に注目して、これを定性的に検証するべきというのは普通。だけど、モニタリングのしやすさと市場効率性の観点から、近年は外部からアクセス可能なマーケットデータをもとにこれを定量化する方法が考えられていて....つまりこうして開発されたsystemic risk measureの予測力を評価しようというのが研究内容です。というかEMHの検証に過ぎないのか。まぁ色々調べる内に別の問題意識も得たので、systemic riskやbank regulationはPhDの研究対象としてアリ。
他には...systemic riskと関連して、tail risk。株価リターンを確率分布にした時、実際右側と左側では分布の様子が異なるよってヤツ。皆んな大好きBlack-Scholesでは対数正規分布に従うと仮定してプライシングするけど。左側リターン同士のcorrelationとか、それがどう資産価格にプライシングされるのとか、多分まだ皆んな仕事してる感じ。まぁ論文見ても今の自分にはultra mathematicsだけど。ここら辺で超絶高度な研究ができるようになりたいけど、リスク/リターンの関係性を詳しくお勉強してれば、corporate financeや皆んな大好きESG関連の研究にも貢献できるかな。今はそっちの方が世の中の需要が高そうだけど...