フランスビジネススクール留学メモ

フランスはグルノーブルのビジネススクール(Grenoble Ecole de Management)に通ってます。専攻はファイナンス(Master of Finance)。経験したことや思ったことなどゆるく書き留めます^^

生物学PhDに変更

新年初投稿が二月。
論文締切は4月末だけど、別事に気を取られていたのもあって、ここ数ヶ月はやる気をなくしていた。今も本調子に戻るか否かの狭間(笑)。そもそも具体的な研究内容に対する興味が薄れてきた。「テーマを決めてしまえば、データを集めて統計分析をして終了」感が否めない。とは言いつつ、今回の執筆経験は、優れた問題設定と分析後の考察を可能にするための訓練ではある。それを除いても、技術的な問題に対する一つの簡単な答えを示せる予定でもある。
具体的には、時間変化するシステミックリスク指標の算出。それぞれのリスク指標の数学的な定義は、バリューアットリスクのように単純だけど、どのように推定を実装するかについては先行研究ではそんなに明らかではない。自分が理解できた範囲、持てる技術の範囲でどうやって解決したかを具体的に示すことは、少なくとも後続の学生にとって参考となるかも。
具体的なことは置いておけば、「金融危機」という対象は興味を持つに値しそう。複雑化する金融商品のリスク評価(物理学PhDの仕事とも...笑)は難解で一部の人しか理解できないし、ある金融市場で起きたショックは容易に越境する。関係性が集結するハブがあると簡単に越境して、遠くまで影響を及ぼすのに時間を要しない、って最近読んだ「進化思考」(太刀川英輔さん著)にあった。ポジティブなら良いけど、この場合ネガティブスピルオーバー。現代に生きる我々は自らを取り巻く生態系に対する理解が重要...ん〜inspiring。やはりファイナンスPhDじゃなくて生物学PhDに変更だ(笑)。「ファクトフルネス」(ハンス・ロスリングさんその他著)でも、これからの時代の脅威の一つとして「金融危機」があった。ちなみに「感染症」は的中。人工物(金融市場)か自然物(ウィルス)の差はあれど、どちらも歴史的には今に始まったことではないので、この先もあるってかい。
自分ではない事物との「関係」ってこの先の人生テーマになりそうな気がやんわりしてて。まぁ「僕が」というより時代的にもそうか(笑)。と思えばつまらんけど。人間関係や社会との関わりというコンテクストだと、社会学者の宮台真司さんの本を色々漁ってみたら、「日本社会における感情の劣化」ってあった。自分も寂しいタイプかもと危惧。まぁそれは置いといて、技術的な克服やイノベーションが相当ない限り、ミクロな視点で研究してもつまらない。上位の問題意識からブレークダウンするかして今の小さな研究テーマを設定したい。けど上位の問題意識って、大学で専門の勉強していても絶対持てないなと。分野横断的な学習をしていれば比較的容易かもだけど、色々混ざり合って動く社会で感情を揺さぶられないといけないとも。社会が目先の目標達成に忙しくすぎてもどーかと思うけど。そんなことをPhD10校中2校リジェクトされた今考えた。