フランスビジネススクール留学メモ

フランスはグルノーブルのビジネススクール(Grenoble Ecole de Management)に通ってます。専攻はファイナンス(Master of Finance)。経験したことや思ったことなどゆるく書き留めます^^

会計事務所で学んだこと

いきなりですが...今日で会計(税理士)事務所を退職しました!

3月から始めて5ヶ月間弱の短期間バイトだったので、気づきも学びも質・量ともに少なくならざるを得ないと思いますが、経験した事について「何も感じない」というのもまたあり得ない話です。なので、整理も兼ねてまとめておきます^^

具体的な仕事は、(1)小規模事業者(地元商店や中小零細企業)の月次取引を会計ソフトへ入力、(2)入力内容を検査して疑問点/不明点を担当者へ報告、が主な内容です。事業者から毎月送付される領収書や収支帳簿を元に仕訳を起こし入力するので、簿記の基礎知識が必要になります。担当者はソフト上で作られた財務諸表を元に、確定申告代理や財務改善提案等の業務を行うので、入力は最初歩の業務となります^^

以下は、経験や学び、気づきのごちゃまぜ...

1. 会計ソフトを扱った経験

⇨ 仕訳入力は会計情報管理ソフトを使って行います。入力や分析問わず、膨大な会計情報を扱う業務には必須なので、将来何らかのタイミングでまた使うことがあるかも...現時点でその機能の一部でも慣れることができたのはプラス。

2. 実践的な簿記知識

⇨ 大学の簿記では黒板やノートに仕訳できるし、試験では常に貸借バランスの合う「答え」があるけど、実務では特殊な会計ソフトに入力する必要があるし、残高不一致も日常茶飯事です(実はかなりのイライラ要因...笑)。これに対して、複合や資金複合の使用や残高不一致時の追加仕訳など実践的な場面での処理を学びました。大組織だと仕訳なんてやらないと思いますが、会計をより良く理解する上では、貸借一致の原則を持つ複式簿記の理解もだいぶ重要かなと... 簿記を見つめ直す時間でもありました(笑)

3. 2の応用

⇨ 小規模事業者の場合、取引の絶対数、種類共に少ないので、日々の取引記録が財務諸表となるまでの過程が分かりやすいです。こうした流れを、自分自身の資産管理(月次BSと月次PLの作成)に取り入れています^^ 多少ノリ(感覚)でやってるところも多いですが、日々の取引を仕訳に起こすためのフォーマットを特に参考にしています。諸表を作れば、自分の資産総額や出費予定などを1円の誤差もなく把握できます。生活をより良くできたのも実務的な観点のおかげだと思います。当然、勝手にやってくれるアプリとかあると思うけど、自分でやってみるのが楽しいです(笑) 

4. 常に顧客が何を望んでいるのかを考えることの大切さ

⇨ 私が経験したことではないですが、社員さんは企業訪問や電話応対などを通して常に顧客と情報交換しています。やり方は様々ある(異様に忙しく見える時もあります...笑)でしょうが、常に顧客が税務・財務で悩みを抱えていないかに気を配っており、事務所としてサポートが可能な領域なら、すかさず支援を申し出るという態度が、地元事業者からの信頼や新規顧客の獲得につながっているのだと思いました^^ 顧客ロイヤリティってヤツでしょうか...

5. 小さな仕事であっても事務所としての(全体の)仕事クオリティに影響

⇨ 私が担当した入力業務は世間的には人間がやる必要のないことかも知れません...

ただ極めていけば、適切な勘定科目あるいは摘要選択の困難、残高不一致などアブノーマルな箇所を発見した際、その状況や(多少主観的でも)見解を逐一共有することで、実際に顧客と接する担当者に有益な情報を提供したり、二度手間を減らすことがあると思います... また機械的な仕訳や分析よりも、顧客を思える生身の人間の方が、顧客の経営状況や取引の変化にまで敏感に気づくことができ、高クオリティな仕事へとつなげられるかも。そうした機械の精度を超える「職人技」があれば、些細な(一見すると誰がやっても同じと思われがちな)仕事であっても、組織の価値創造プロセスの一端となるかもしれません。そういう意味で、機械による自動化・省人化は、今まで生身の「職人」が仕事をすることによって生じていた価値を気づかずに破壊するかも、なんて^^

最後の方はグダグダですが、まぁこんな感じです。全体的にとても有意義でした^^